山本たかしの政務調査ニュース

地方創生の成長戦略、横浜イノベーションIRの意義と政治の責任

2021年8月1日 観光MICE 

 少子高齢化・人口減少時代を迎える横浜の課題は山積しています。我が国の1700を超える市町村の課題は、横浜に凝縮されています。横浜が取り組む施策が、地方再生の成長モデルとなります。
 さて、林市政の3期12年を振り返ると、

①文化芸術・観光MICE 都市宣言、

②ラグビーワールドカップ2019の成功、

③国際園芸博覧会の招致、

④新市庁舎建設、

⑤待機児童0など子育て政策、

⑥新たな成長を創るIR 推進、

⑦2050年ゼロカーボンヨコハマ宣言、

⑧世界平和と国際貢献をめざす国際戦略など、多くの成果を上げてきました。
 一方で、歳入の50%を個人市民税に頼る横浜の税収構造の課題や都市的財政需要に対応する税財源の確保を目的とした『特別自治市』実現、頻発する大規模自然災害から市民を守る防災対策、既存ストックとしての公共建築物の老朽化更新など、直面する課題が多く残され、とりわけコロナ禍の影響も大きく、市内景気悪化と雇用不安は深刻です。

 本市は、人口減少時代到来を見据え、昨年暮れに2065年を展望した長期財政推計を策定しましたが、2065年度の財政収支差▲2160億円という大変ショッキングな数字が示されました。
 人生100年時代における全世代型社会保障を充実させるという目標に向け地方自治体が抱える超高齢社会の社会保障経費増を補う財源を何に求めるのか、そして、将来の横浜の持続可能な成長をつくる産、雇用をどう生み出すか、この解決策なしには誰もが安心して元気な老後を実現することは不可能です。

このままでは、横浜が急激に進展する高齢社会において、社会保障コストを捻出することは困難であることは明白であり、社会保障サービスの縮小を市民にお願いするしかないのです。
 こうしたリスクを客観的に分析し、解決策を見出し、迅速に対応し、将来の発展と安全をつくっていくためにも、都市の未来を描く成長ビジョンを示さなければなりません。

 私たちヨコハマ自民党は、市民の負託に応える生活責任政党として、17の持続可能な開発目標(SDGs)に照らした政策、『責任と約束』を市民の皆様と対話・検証する中で策定し、着実に実行に移してきました。
 その1つがIR(統合型リゾート)です。深刻化する財政課題に最適かつ有効な手段として、公的資源(税金)を使わずに、民間投資で賄う『民設民営』の公民連携モデル事業です。
 我が国が、超高齢社会、人口減少時代の成長戦略を「観光」と位置づけ、長年にわたり調査研究してきたのが、IR(統合型リゾート)です。
IRの中のカジノ施設の面積は、IR 施設全体の3%にしか過ぎません。そして、IRにおけるギャンブル依存症対策や治安対策などのノウハウや知見は、世界のIRに蓄積され安全性が証明されています。世界の国々は、IR を健全に効果的にコントロールしているのです。
 ところで、林市政の12年間の中で、忘れてならないものがあります。それが国際港都ヨコハマの象徴、横浜港を中心とした都市基盤整備です。
 横浜市が、国の協力連携の下、クルーズポートの形成や国際戦略港湾としての港湾施設整備、これからは、脱炭素化に対応するカーボンニュートラルポートヨコハマへの挑戦が始まります。そして首都高速横浜環状北線・北西線・南線などの道路ネットワーク化に取り組んできています。この狙いは何か、この基盤整備で、横浜には大きな富がもたらされます。しかし、決して横浜に富をもたらすためだけではありません。IRが布石となってDMO(ディスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)が形成され、横浜を起点とした広域ツーリズムが発展し、地方に富が還流されるのです。IR が、広域経済圏を形成し、地方創生を加速させます。横浜を中心に地方都市がともに「win-win」の関係を築くことができます。IR は疲弊化した地方における日本創生の成長戦略なのです。
 政治家は、自らの政策や言動に責任を負わなければなりません。IR(統合型リゾート)に対する正しい理解が得られていないと感じるならば、IRの魅力や効果、課題や懸念を伝え、その解決策を提示し、市民の理解と安心を得られるよう努力しなければなりません。
横浜に持続可能な成長をもたらし、地方創生の活力を生み出すイノベーテイブ(革新的な)IR の議論がさらに深まるよう努力していきます。