横浜の成長を創る!大胆な発想で、住宅政策を見直す。
≪報告≫第7次横浜市住宅政策審議会で提言
昨年12月23日に、第7次横浜市住宅政策審議会(会長: 大江守之 慶應義塾大学名誉教授)が開かれ、将来の横浜市がめざす住宅政策について議論しました。
住宅政策審議会では、『横浜らしい豊かな住生活の実現に向け、社会環境の変化や多様化する世帯や価値観に対応した、今後の住宅政策の展開』について横浜市長からの諮問があり、1年間かけて議論を重ねてきたところです。横浜市は、これまでも重層的な住宅セーフティネットの構築や総合的空き家対策、持続可能な住宅地・住環境の形成などに取り組んできましたが、コロナ禍を契機としたワークスタイルやライフスタイルの変化、頻発化・激甚化する自然災害への備え、脱炭素社会の新たな技術イノベーション加速、高経年化したマンション急増に対応した維持管理や建替問題など、多くの課題が山積してきていることから、「住宅ストックの活用」、「多分野との連携」、「地域経済の活性化」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」を切り口に横浜市住宅政策審議会では答申をまとめ、今から10年後(2030年)を視野においた新たな『横浜市住生活基本計画』をまとめていくこととしています。
社会環境の変化の視点
目標1 | 新たなライフスタイルに対応し、多様なまちの魅力を生かした豊かな住宅地の形成 |
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目標2 | 災害に強く、安全な住まい・住宅地の形成と被災者の住まいの確保 |
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居住者・コミュニティの視点
目標3 | 多様な世帯が健康で安心して暮らせる住まい・コミュニティの形成 |
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目標4 | 住宅・福祉施策が一体となった重層的な住宅セーフティネットの構築 |
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住宅ストックの視点
目標5 | 脱炭素社会の実現に向けた良質な住宅ストックの形成 |
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目標6 | マンション管理の適正化・再生円滑化の推進 |
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目標7 | 空家の予防、流通活用、管理不全防止・解消、跡地活用の総合的対策の推進 |
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横浜の歴史からみた住宅政策
- 関東大震災(1923年)→震災復興区画整理事業による大規模な都市基盤の整備と建物の不燃化
- 横浜大空襲(1945年)→戦災復興事業による関内地区の防火帯建築等の都市基盤の整備
- 高度経済成長(1960年~1975年)→人口急増する横浜における住宅開発要綱などの市独自の住宅開発規制、市域の4 分の1の市街化調整区域指定、市街化区域4割の第1種住宅専用地域指定、国内最多の建築協定認可等による開発規制による緑豊かな住環境の維持・形成歴史的背景により、横浜市内における良質な住環境が守られてきましたが、近年の社会環境変化によって生じる新たな課題に対しては、従来規制にとらわれたため、変化に先取りした大胆な住宅政策の提起ができないという問題があります。
社会環境変化に求められる対策
- 単身高齢者の急増に起因する管理不全空家解消対策
- 市民の所得格差や貧困家庭における住宅確保困難者の急増
- 自然災害の頻発化・激甚化への対応と、被災者の住宅確保対策
- 脱炭素社会における行政・企業・市民の実行力を担保する財源と保障
- 高経年マンションの急増とマンション管理適正化策
住宅政策審議会へ提言!
- 民間資金を活用する市営住宅の土地売却で建替えスピードアップを
- 県に代わり、災害救助法における『救助実施市』に指定、自然災害から市民を守る責務。
- 救助実施市は市民が被災した際の住居確保に向け、被災後、20日以内に応急住宅建設の着工の義務化
- ≪現状認識≫「横浜市防災計画」の被害想定(都心・臨海周辺部を中心に地震火災により77,700棟が焼失見込み)
- ≪目標≫今後30年間で14万棟の建替えを計画している市営住宅の建替えスピードを速める。
- ≪方策≫ 市営住宅建替えに民間資金を導入する事業スキーム(市営住宅が建つ市有地売却を進め、民間から建替え資金を調達する)
- ≪効果≫民間資金調達によって建替えスピードが高まる。
- 市街地環境設計制度を活用した高さや容積率の緩和市街地環境設計制度を広く市営住宅や、緊急輸送路沿道の高経年マンションの建替えに適用し、市営住宅の高さや容積率を緩和することで住戸数を増やし、住宅確保困難者や災害時に住戸をなくした被災者のための住宅ストックを確保する。
- 住宅の建替えにあわせた脱炭素化技術やノウハウの導入市営住宅や高経年マンションの建替えを円滑に行うことに加え、脱炭素化技術やノウハウを組みあわせれば、ゼロカーボンヨコハマの実現につながるBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の効果も期待できる。
- 住宅ストック確保のために市街化調整区域を市街化区域へ編入市街化調整区域を指定した背景を考慮し、都市計画道路整備とあわせ、計画的な市街化調整区域の市街化区域編入を政策化する。