山本たかしの政務調査ニュース

福島県浪江町の「ふるさと再生」の挑戦

2018年7月16日 災害・防災・消防 

東日本大震災、福島原発事故から7年。
いまだに帰還困難者地域を抱える浪江町の挑戦

6月16日( 土) 福島県浪江町を横浜中ライオンズクラブのメンバーとともに視察してきました。
浪江町は、東日本大震災で、津波被害とともに、東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくによって県内外に避難され、未だに多くの町民の方々が戻れないでいる地域です。浪江町役場で本間茂行副町長から現状と浪江町再生の取り組みについて説明をいただきました。東日本大震災が発生して既に7年が経ち、被災地の多くは復興への確かな歩みを進めていますが、浪江町では、帰還困難区域の指定解除が遅れており、震災前21434人だった人口も、4月30日現在729人(485世帯) にとどまっています。浪江町への帰還が遅れている原因は、放射線除染作業の進捗の遅れとともに、医師不足が心配なこと、27ヶ所あった診療所は今1ヶ所しかないことなど健康面での懸念が払拭されていないことが挙げられています。また、スーパーマーケットがなく買い物をするところがなく、南相馬や富岡町など15km離れた隣町に行かなければならないなどの生活の不便さが原因となっています。被災前にあった1000あった事業所も、未だに100事業所にとどまっています。

一方で、政府による復興支援の一環として産業団地が国の補助金の下で整備が進んでいます。その代表が「イノベーションコースト構想」と融合した棚塩産業団地の整備です。ここでは、東北電力から無償で提供された49ha にNEDO( 新エネルギー産業技術開発機構) 事業として、世界最大級の水素製造拠点が2019年9月稼働を目指して急ピッチで整備が進んでいます。あわせて福島県事業として、無人航空機(ドローン) の滑走路も整備される計画です。福島第一原発事故で多大の被害を被った浪江町が、我が国の新しいエネルギー開発供給拠点として再興し、環境、産業技術創造自治体として成長発展することを期待します。