山本たかしの政務調査ニュース

特集:脱炭素化と学校建替

横浜市の脱炭素化への挑戦

◆2050年カーボンニュートラル宣言
 菅 義偉首相が、昨年10月の所信表明演説で、国内の温室効果ガス排出を2050年までに「実質ゼロ」にすると明言した、いわゆる「2050年カーボンニュートラル宣言」は、国内外に大きなインパクトを与えました。これに呼応し、本年2月5日に130を超える自治体が参加する、「ゼロカーボン市区町村協議会」を横浜市が中心となって立ち上げました。規模、地域特性といった背景が違う市区町村が知見を共有し合い、脱炭素社会の実現に向け具体的な取組を議論し、政府へ提言していくことは大変重要であり、横浜市がリーダーシップを発揮することに大きな意義があります。
◆横浜市の脱炭素化アクション
横浜市は、全国の自治体に先駆けて、2050年脱炭素化を目指す「ゼロカーボン横浜」を宣言しました。人口375万人を擁する横浜が、家庭、社会、産業のあらゆる分野でセロカーボンへのアクションをすすめます。令和3年度予算の中にも、港湾施設の脱炭素化に向けた「カーボンニュートラルポート」を先導する官民連携での水素燃料電池船開発やLPGバンカリングポートの取組、温暖化対策本部の再生エネルギーの地産地消モデル事業、環境創造局の下水道のエネルギー温暖化対策、経済局における横浜商工会議所等との連携などが挙げられ着実に進めます。
◆公共建築物の脱炭素化の必要性

 横浜市の公共建築物の脱炭素化も重要な事業としてとらえています。「横浜市公共建築物マネジメ
ント白書」には、横浜市が有する公共建築物の整備、保全・更新、運営についてまとめられていますが、市の公共建築物は、2608施設(令和元年調べ)あり、市民利用施設、社会福祉施設、学校施設、市営住宅、庁舎・事務所、都市基盤系建築物などさまざまです。こうした施設の延床面積は約1000万㎡に上りますが、その20%近くを占めるのが500校におよぶ小中学校です。

学校施設を取り巻く現状と課題

◆集中して建設された市内の小中学校

 横浜市は、学齢期人口の急増に対応し、昭和40年代から50年代にかけて集中的に学校施設を整備してきました。(図1) 従来は築40年程度で建替えを行ってきましたが、現在では5割以上の学校が築後40年を経過している状況、10年後には、この割合は9割近くにまで上ります。横浜市では、長寿命化基本方針に基づき、学校施設を築70年まで使用することになっていますが、その時期も見え始めています。

◆小中学校の建替えの考え方

 老朽化する学校建替えの基本的な考え方として、学校施設の機能向上などの整備内容の見直しや耐震補強による室内環境への影響を考慮して1981年度(昭和56年度)以前に建設された学校384校を対象とします。そして事業期間は、対象校が築70年を超えない範囲のおおよそ2051年度までの30年間をめどとします。建替えの手法としては「機能改善」「学校統合」「複合化」があります。

◆学校建替えの財源確保の考え方

 教育現場において学校建替えは喫緊の課題と認識しつつも、教育委員会における学校建替え積立準備金等の財源不足もあり、一挙に建替えをすすめていくことは不可能で、1年間に6校程度の建替えにとどまっているのが実態です。今後、建替えにかかる巨額の財政負担に対し、国の支援をもとめるとともに、令和6年度から国民に課税される森林環境税を原資とする都道府県、市区町村に譲与される「森林環境譲与税」を活用することも必要であると考えます。 また、2050年ゼロカーボンをめざす横浜市にとって環境配慮型の教育環境整備や少人数学級及びGIGAスクール対応の環境整備などの課題も残っています。

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