国際都市「ヨコハマ」レポート山本たかしの政務調査ニュース

国際都市横浜に、「IR」は必要か?

昨年12月に「統合型リゾート整備推進法」が成立した。この法律は、「カジノを中心とした複合観光施設の整備を促す法律」であり、大型ホテルや商業施設、会議場などが一体となった施設で、その一部にカジノも含まれる「統合型リゾート(IR:Integrated Resort)」の整備を促すもので基本法という位置づけになっている。尚、付帯決議として、「運営業者の選定基準やカジノの入場規制、ギャンブル依存症対策、三条委員会としてのカジノ管理委員会、事業者からの納付金の取扱いなどを、政府が整備する実施法案に盛り込む」ことになっている。

7月に実施された市長選でも「IR」に関する賛否の意見があった。実施法案の議論がない中での「IR」の是非論議を行う段階ではない。しかし、市民からの「カジノ」に対する不安の声には、真摯に対応すべきだ。パチンコ等のギャンブルも含め、「IR」のリスクを研究していかねばならない

一方で、安全・安心な市民生活に関するリスクへの対応が急務だ。少子高齢社会での地域包括ケア、小児医療、地域医療資源確保、土砂災害や大地震に備えた防災対策、待機児童解消に向けた子育て環境改善、いじめ防止等の教育改革、市内企業の経営安定化、公共インフラの長寿命化など、横浜市のリスクが山積している。平成28年度決算をみても、実質収支が25億円、3兆1348億円の借入残高と大変厳しく、「IR」による収入が 市政の課題解決につながる財源となるか、しっかり見極めなければならない。

横浜の成長戦略=『国際』戦略

「横浜のイメージは?」と訊かれたら「国際性」が一番にあげられる。
「国際都市ヨコハマ」が市民の意識に根づいている。横浜が国際都市としてどのような歴史を刻んできたか知り、横浜の持続的発展に「IR」が必要か考えるべきだ。

  • 政令市で初めて『国際局』設置(平成27年4月)
    国際事業を強力かつ効果的に推進するため、政令市では初めて国際局ができました。
    「国際事業」
    1. 国際交流
    2. 国際化教育
    3. 地域の国際化と外国人にも暮らしやすいまちづくり
    4. 外国人来街者支援
    5. 国際平和
    6. 国際協力
    7. 国際経済活動
    8. 観光・コンベンション

横浜の国際都市としての歩み

  • 安政6年(1859年)の開港、貿易港を舞台に国際都市に発展
  • 昭和25年(1950年)横浜国際港都建設法(港湾施設拡充、交通網の整備、臨海工業地帯の造成)
  • 8つの姉妹都市交流と7つのパートナー都市協定
  • 海外事務所(上海、フランクフルト、ムンバイ)
  • 6つの「姉妹・友好・貿易協力港湾提携」を通じたポートセールス
  • 横浜市国際交流協会(YOKE)と国際交流ラウンジ
  • 「グローバルMICE戦略都市」に指定。APECやTICAD等の大型国際会議
  • 横浜トリエンナーレ開催、東アジア文化都市に選定
  • 2002FIFAワールドカップ決勝戦、世界トライアスロン大会等大型国際スポーツ
  • アジア太平洋都市間ネットワーク(シティネット)」設立
  • 公民連携の国際技術協力(Y-PORT)事業
  • 国際連合から「ピースメッセンジャー都市」に選定

クルーズが、横浜経済を推進する!

8月13日に横浜港の山下ふ頭にスタークルーズ社の『スーパースター・ヴァーゴ』(バハマ船籍)が寄港したので視察した。バハマ船籍の73500t、定員1900名の豪華客船、年内20回、横浜発着で、清水、鹿児島、上海、大阪という航路で就航する。そのうち6回、山下ふ頭に寄港する予定だ。山下ふ頭の受入機能が強化されれば、大桟橋、本牧ふ頭A岸壁、大黒ふ頭、新港9号岸壁とあわせ、客船クルーズの受入がさらに充実し、クルーズ会社への強力なプロモーションとなる。郵船クルーズ、商船三井客船、日本クルーズ客船といった邦船三社はもちろん、プリンセスクルーズ、カーニバルライン、スタークルーズ、キュナードライン、コスタクルーズ、ロイヤルカリビアンインターナショナルなどの大手海外クルーズ会社が横浜発着のツアーを企画する可能性が高い。そのためにも、クルーズ船をよびこむ魅力的な観光資源を作る必要がある。

横浜港の山下ふ頭に寄港したスタークルーズ社の『スーパースター・ヴァーゴ』を視察

クルーズ誘致は、「都市間」の競争!

世界のクルーズ産業は中国をはじめとしたアジア諸国の経済発展による富裕層の増加で急拡大。世界市場規模で約2255万人(2014年調べ)2020年にアジア地域のクルーズ市場規模は380万人と予測される。中国発のクルーズが増えたため日本への寄港が増加した。今や日本国内の都市間でのクルーズ誘致競争が始まっている。

  • 横浜港のクルーズ船寄港回数(ランク)
    • 2010年 122(1位)
    • 2011年 119(1位)
    • 2012年 142(1位)
    • 2013年 152(1位)
    • 2014年 146(1位)
    • 2015年 125(3位)※福岡259 長崎131
      (中国ツアーの行く先は九州福岡、長崎!割安のツアーに人気)
    • 2016年 128(4位)※福岡328 長崎197 那覇193
    • 2017年 179(?位)

「魅力ある開発」でナンバー1横浜の競争力を創る!

大型クルーズ船寄港による経済効果は、1人あたり3~4万円、1寄港あたり1億円の経済効果がある。国土交通省では、横浜、清水、佐世保、八代、本部、平良の6港湾を「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する拠点として選定した。民間投資を活用した旅客施設、商業施設の整備や岸壁の優先使用、インフラ整備などをすすめていく方針だ。カジュアル&セレブなクルーズ人気により、都市間で寄港誘致合戦が行われているが、そのためにも魅力ある旅客施設、商業施設の整備が求められる。横浜には47haという広大な面積をもつ山下ふ頭がある。ハーバーリゾートの形成に必要な賑わい創出のため大規模集客施設の整備が可能なエリアだ。山下ふ頭再開発は、持続可能な横浜の成長・発展をもたらすカギとなるエリアであり、山下ふ頭再開発が、メガシティ横浜の課題を解決することにつながることを期待する。

下ふ頭再開発が、メガシティ横浜の課題を解決

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