「医療の安心」を考える!政務調査ニュース

小児の医療助成に関する条例の一部改正

賛成多数で可決!通院の医療費助成が充実。
~平成29年4月から「小学6年生まで」に年齢拡大!~

平成28年第3回市会定例会本会議(第3日)で、「小児の医療助成に関する条例の一部改正案」が、共産党を除く会派の賛成多数で可決されました。この結果、来年4月から『小学校6年生まで』の児童が小児医療(通院)における無償化が実現します。小学校4年生から6年生は、これまで3割負担だったので、今回の条例改正で医療費負担が大幅改善が実現したことになります。尚、今回の対象拡大に伴い財源が15億円余かかることから、将来にわたる持続可能な制度とすべく通院1回あたり最大500円の『一部負担金』が求められることとなります。(尚、非課税世帯にはこの負担金はありません。) 我が国は、乳児死亡率や新生児死亡率が最も低い国として世界最高の保健医療水準を維持しているのは国民皆保険制度があるからです。医療保障の充実には地方自治体も助成を行っていますが、近年、自治体間の助成拡大競争が自治体財政の大きな問題となっています。

 厚生労働省では、こうした現状をとらえ『医療制度における無償化は、一旦、導入した以上、制度後退がままならないため、地方自治体のサービス拡大競争は安易に行うものでなく、国が定める医療保険制度の中で、規律をもって決めるべきである。』との見解を出しています。一部の自治体では医療費を無償化したため、「過剰受診」というモラルハザードが生じています。地方自治体において小児医療助成制度の拡大は、財政の限界が指摘されており慎重な対応が求められます。横須賀市では横浜、川崎よりいち早く小学6年生までに助成拡大しましたが、市会定例会で市長からは『小児医療助成の対象年齢拡大は、子育て世代の関心が非常に高い施策であるとはいえ、自治体間で対象年齢の拡大を競うのは望ましくなく、国の施策として統一された制度とすべきだ』と答弁しています。まさに、これからの助成拡大競争の問題点を浮き彫りにした答弁といえます。

神奈川県内33市町村の状況(通院助成)

  • ●中学3年生まで …
    13市町村 (所得制限なし/10市町村 所得制限あり/3市) ※所得制限あり平塚市、小田原市、大和市
  • ●小学6年生まで …
    16市町村 (所得制限なし/2市町 所得制限あり/14市町)
  • ●小学4年生まで …
    1市 (南足柄/所得制限あり)
  • ●小学3年生まで …
    3市 (横浜 ・ 川崎 ・ 茅ヶ崎 所得制限あり/3市)

20政令市の実施状況

  • ●中学3年生まで …
    9市( さいたま ・ 千葉 ・ 静岡 ・ 浜松 ・ 名古屋 ・ 京都 ・ 大阪 ・ 堺 ・ 神戸)
  • ●小学6年生まで …
    5市 (相模原 ・ 新潟 ・ 岡山 ・ 北九州 ・ 福岡)

福祉のトレードオフを視野に!

少子化、人口減少対策として、子育て世代の負担軽減や社会全体で子供を育てる環境整備は重要です。今回の小児医療助成制度の拡充は、対象年齢が低かった本市にとっては、一定の評価ができるといえますが、財政的にも大きな負担がかかることから所得制限の継続や一部負担金の導入もやむを得ない措置と思います。今後は次なるステップとして中学3年生までへの年齢拡大に取り組まねばなりません。しかし安定した財源を確保し持続可能な制度に設計していくことも同時に求められており、医療や介護、子育てといった医療・福祉コストが有限であることを自覚し、福祉のトレードオフを視野に入れた検討も必要ではないでしょうか。

横浜市の「地域医療構想」を考える!
~整備基準を3つの二次医療圏から「横浜構想区域」一元化へ~

 横浜市の平成28年度の市民意識実態調査がまとまりました。今回の特長として、「自分の病気や健康、老後のこと」に5割を超える市民が心配ごとのトップにあげていることです。横浜市の医療は大丈夫か、決算第一特別委員会局別審査で医療局に「横浜市における安心の地域医療構想の現状と課題」について質問しました。

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年は医療ニーズが急増します。そこで各都道府県は国が提供する地域の医療需要の将来推計や病床機能報告に基づく情報等を活用し、地域医療構想を策定することとなりました。横浜市でも地域医療を形成している『二次医療圏』の現況から、「これから不足が見込まれる回復期や慢性期の病床機能については、横浜市全域を1つとする老人福祉圏域と一体的に解消していく必要がある。」として『横浜構想区域』を整備基準としました。横浜市では7000床の病床不足がいわれていますが、その大半が『回復期機能(※注1)』を担う病床です。また、『在宅医療等(※注2)』の患者数も1.7倍となる見通しであり、在宅医療体制の強化が必要です。

  • ※注1 回復期機能急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテ―ションを提供する機能
  • ※注2 在宅医療等居宅、特別養護老人ホーム、老人保健施設など医療をうける人が療養生活を営むことができる場所であり、病院・診療所以外の場所における医療等をさす

横浜市の二次医療圏

横浜北部2014年2015年
高度急性期17371439298(人)
急性期34144010△ 596(人)
回復期8583439△ 2581(人)
慢性期23342633△ 299(人)
横浜西部2014年2015年
高度急性期16741316358(人)
急性期40233397626(人)
回復期4522637△ 2185(人)
慢性期14171977△ 560(人)
横浜南部2014年2015年
高度急性期290014201480(人)
急性期26303215△ 585(人)
回復期6292742△ 2113(人)
慢性期6391792△ 1153(人)

※磯子区は南部医療圏です。

横浜市の地域医療構想の考え方

これからの不足が見込まれる回復期や慢性期の病床機能については、 横浜市全域を1つとする老人福祉圏域との整合性を図りながら、 一体的に解消していきます。

  1. 地域医療ネットワーク構築
  2. 『在宅医療連携』の整備(ex. かかりつけ医や歯科医、在宅医の確保、認知症対策)
  3. 『総合診療医』の育成

未来のまちづくりへ20年後の磯子プラン!

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