人口減少社会の横浜の財政について山本たかしの政務調査ニュース

未来の横浜の成長を創る新たな財源を探る!

横浜における財政の現状と課題

我が国は世界の類をみないスピードで超高齢化がすすんでいます。年金、医療、介護・福祉など、社会保障にかかる負担は増大しています。日本の総人口の3割が集中する大都市(政令市)に、高齢者があふれ、高齢者対策は大きな社会問題となっています。一方、地方にある市町村の多くが人口減少や過疎化といった課題を抱え、「自治体消滅」という言葉が現実味をおびています。
横浜の市税収入に占める個人市民税や固定資産税、都市計画税の割合は90%を超えており、安定した財政状況で推移をしてきました。戦後、横浜の人口は5.9倍に急増し、人口増加に対応するための都市インフラ整備が急ピッチに進められたため、他都市と比べ市債発行額が多くなっていました。
平成9年から市債の発行額を抑制する財政健全化策が打ち出され、その後も「一般会計に対応する借入金残高」を中期財政ビジョン(平成15年)から約7900億円縮減することができました。
平成26年6月に制定した「横浜市将来にわたる責任ある財政運営に関する条例(略称: 財政責任条例)」の趣旨を踏まえ、必要とされる『施策の推進』と『財政の健全性の維持』を両立させることを目指し、『横浜型プライマリーバランス』に沿った計画的な市債発行により、現在では3兆1600億円の借入金残高となっています。
※横浜型プライマリーバランスとは、その年の市債発行額をその年度の市債償還元金額以内とするということです。(市債発行額を抑制し、無用な借り入れを抑制する狙いがあります。)

市債抑制に代わる新たな財源確保の必要性

都市インフラの更新需要の増加や学校建替推進計画等の事業支出の増加が財政上の大きな課題です。加えて、年々増加する子育て、教育、健康、医療などの経費である扶助費の割合も増加予測にあり、平成29年度実績では義務的経費(扶助費+ 公債費+ 人件費)が1兆円を超えました。
横浜市は厳しい歳出管理をしてきましたが、安全・安心のインフラ、社会保障にかかる支出が増えることから、市債に代わる新たな財源が求められています。
これまで、横浜市は財源確保策として①徹底した事務事業の見直し(民営化・委託化、外郭団体などの財政支援見直し、市役所内部経費の見直し)、②保有土地売却益の活用、③財政調整基金・減債基金の活用などを行ってきましたが、将来の施設等整備費や義務的経費の増加に対応する新たな財源確保の検討もきわめて重要です。

「持続可能な開発目標(SDGs)」に寄与するIR(統合型リゾート)

横浜市は、将来にわたり「持続可能な開発目標(SDGs)」を実現するためにも、生産性を高め、より効率的かつ効果的な財源の確保が必要です。
※ 「持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの17の開発目標が定められています。今年5月には、神奈川県、鎌倉市とともに、横浜市が「SDGs 未来都市」に選定されました。
私は、将来の横浜の成長エンジンは、「市民力」、「中小企業の技術力」そして「観光資源」を挙げましたがSDGsを達成させるためにも安定した力強い都市経営が必要です。
「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)」は、SDGs の目標達成に必要な新たな財源を生み出し、観光を通じた経済発展に繋がる可能性があります。
IR は外国人富裕層をターゲットとした新たな財源の創造を目的としており、IR 導入国は世界130か国に及び、導入国の法規制の下で、観光資源と複合化した施設運営がなされています。IR 事業者が拠出する「納付金」を財源として、国や自治体は新たな観光資源開発や経済発展を加速させ、都市への積極的投資や雇用を促進させる効果をあげています。
また「滞在型観光」が生まれ、全国各地へ訪日観光客を送り出すことにつながれば、地方の市町村の経済効果に波及し、地方創生や地方経済の発展に寄与します。
IR は、「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成させる国家成長戦略になる期待可能性が高い事業であろうかと思います。

IR整備法のポイント

  • カジノや国際会議場、ホテルなどを一体として、全国で最大3ヶ所を整備。
  • 自治体がIR 誘致を申請し、国が選定する。
  • 日本人客のカジノ入場は週3回、月10回まで。マイナンバーカードでの本人確認を義務化。入場料は6000円。
  • カジノ事業は免許制。国がギャンブル依存症対策などを事前調査。
  • カジノ事業者は収益の30%を国へ納付し、立地自治体と折半。観光振興などの財源に充てる。

パチンコ含めた依存症対策の徹底を!

防災、教育、福祉、医療、健康、環境、都市づくり等、横浜市の事業は広範多岐にわたっています。こうした事業に対する評価は、安全性と成長性と事業性によりチェックされるべきです。

経営には「リスク」はつきものですが、「リスク」を避けていては経営は成り立ちません。しかし、安定した市民生活のためには横浜市は、可能な限りリスクを防ぐ経営努力が必要です。

IRのプラス面とマイナス面を正しくコントロールすることが重要です。IR 導入における「リスク」とは、ギャンブル依存症や多重債務の増加、青少年健全育成への悪影響などです。政府調査ではパチンコにおけるギャンブル依存症患者は全国で320万人といわれており、我が国は、既に、パチンコや競馬など通じて世界のギャンブル大国となっています。21兆円市場のパチンコと1か所あたり2000億円程度の市場であるカジノとは比較にもなりませんが、依存症を助長する懸念がある以上、パチンコを含めた依存症対策や「リスクコントロール」を行っていかなければなりません。一方でIRがもたらす効果、すなわち世界的なエンターテインメント、スポーツ、演劇などによる経済効果や雇用を創出することにも着目すべきでしょう。

急成長をつづける横浜のインバウンド需要

平成29年の横浜観光集客実人員は、3631万人、横浜の観光消費額は3557億円となっており、平成25年と比較しますと、横浜観光集客実人員は16% 増、観光消費額は52% 増となっています。また、日帰り客と宿泊客の比較では、日帰り客が3169万人(87%)と宿泊客462万人(13%)と圧倒的に日帰り客が多く、横浜は「滞在型観光地」として魅力をつくる必要があります。横浜が「滞在型観光地」として魅力を発信するためには、横浜MICE 戦略をより多面的にすすめていくことが求められます。横浜の魅力をブラッシュアップするとともに、近隣自治体と連携した観光誘客を推進していくことが必要です。

自治会町内会の皆様へ

平成30年度 感震ブレーカ―設置補助

 感震ブレーカ―

木造住宅密集市街地を含む自治会・町内会を対象に、感震ブレーカ―「簡易タイプ」の購入・設置費用の一部を補助していきます。

感震ブレーカ―とは
大きな揺れで電気を自動的に遮断し、地震火災の多くの原因といわれている『電気出火』を防ぐ効果が大きい器具です。

 補助内容

対象地域
磯子1丁目、磯子2丁目、磯子8丁目、岡村1~7丁目、滝頭1~3丁目、中浜町、久木町、広地町、丸山1丁目、丸山2丁目
補助要件
指定の感震ブレーカー購入、設置が補助要件となっています。
加入世帯の概ね10世帯以上へ、補助対象製品を購入・設置することが必要です。
補助率
1/2(上限額:器具1個あたり2,000円補助、千円未満端数切捨て)
例:1個2,700円×240個+消費税=699,840円
  699,840円×1/2=349,920円(端数切捨て)補助額349,000円
補助件数
7000個(先着順)※申込はお早めにお願いします!
問合せ・申込
横浜市総務局危機管理課(045-671-3456)
磯子区役所総務課(045-750-2310)

福島県浪江町の「ふるさと再生」の挑戦

東日本大震災、福島原発事故から7年。
いまだに帰還困難者地域を抱える浪江町の挑戦

6月16日( 土) 福島県浪江町を横浜中ライオンズクラブのメンバーとともに視察してきました。
浪江町は、東日本大震災で、津波被害とともに、東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくによって県内外に避難され、未だに多くの町民の方々が戻れないでいる地域です。浪江町役場で本間茂行副町長から現状と浪江町再生の取り組みについて説明をいただきました。東日本大震災が発生して既に7年が経ち、被災地の多くは復興への確かな歩みを進めていますが、浪江町では、帰還困難区域の指定解除が遅れており、震災前21434人だった人口も、4月30日現在729人(485世帯) にとどまっています。浪江町への帰還が遅れている原因は、放射線除染作業の進捗の遅れとともに、医師不足が心配なこと、27ヶ所あった診療所は今1ヶ所しかないことなど健康面での懸念が払拭されていないことが挙げられています。また、スーパーマーケットがなく買い物をするところがなく、南相馬や富岡町など15km離れた隣町に行かなければならないなどの生活の不便さが原因となっています。被災前にあった1000あった事業所も、未だに100事業所にとどまっています。

一方で、政府による復興支援の一環として産業団地が国の補助金の下で整備が進んでいます。その代表が「イノベーションコースト構想」と融合した棚塩産業団地の整備です。ここでは、東北電力から無償で提供された49ha にNEDO( 新エネルギー産業技術開発機構) 事業として、世界最大級の水素製造拠点が2019年9月稼働を目指して急ピッチで整備が進んでいます。あわせて福島県事業として、無人航空機(ドローン) の滑走路も整備される計画です。福島第一原発事故で多大の被害を被った浪江町が、我が国の新しいエネルギー開発供給拠点として再興し、環境、産業技術創造自治体として成長発展することを期待します。

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